腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰の椎間板から髄核(ずいかく)が飛び出し、近くを通る神経を圧迫した結果、痛みやしびれが出る病気です。

背骨(せぼね)は椎骨(ついこつ)という骨が積み重なってできていて、椎骨の間でクッションの役割を果たしているのが椎間板です。

椎間板の中心にはゼリー状の髄核があり、周囲をコラーゲン線維(線維輪:せんいりん)が囲んでいます。

腰の椎骨(腰椎)の間にある椎間板は特に、立ったり座ったりで負担がかかることが多く、何らかのきっかけで線維輪の亀裂を通じて髄核が飛び出すことがあります。この飛び出した部分をヘルニアと呼び、このヘルニアが周りを通る神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こすのが、腰椎椎間板ヘルニアです。
MRI検査でヘルニアが見つかったものの症状がないことや、ヘルニアが大きいのに症状が強くないこともあります。

そもそもヘルニアとは?

「ヘルニア」という言葉は、からだの一部が正常な場所から飛び出した状態を示します。“膨らんだ若芽”を意味するギリシャ語herniosから派生したラテン語herniaが由来です。

自然になくなっていくことも…

症状のある腰椎椎間板ヘルニアの60%以上は体内に吸収されて⼩さくなっていきます。吸収されやすさはヘルニアの⼤きさや形によって異なり、吸収されるまでの期間は3カ⽉間が⽬安です※1

数字でみる腰椎椎間板ヘルニア

患者さんの男女比*

男性56%※2
女性44%※2

患者さんの多い年齢*

20〜40歳代※1

発症後しばらくの間、保存療法を行ったが手術が必要となる患者さんの割合

20〜50%※1

腰椎椎間板ヘルニアと診断され、手術を受けた患者さんの男女比と年齢を示しています。

日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会編:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版. 南江堂, 2021

Strömqvist F, et al. Eur Spine J 2016; 25(1): 162-167.