Q&A
腰椎椎間板ヘルニアと
診断されている方
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日常生活では、まずは正しい姿勢を取るようにしましょう。喫煙は腰椎椎間板ヘルニアの発生リスクとの関係が認められているため、早めの禁煙をおすすめします。
また、手術が必要になった患者さんと不要だった患者さんのBMI※1を比較した試験では、BMIが高い患者さんの方が、手術が必要になった方が多かったことが報告されています1)。日常生活において、バランスの取れた食事、適度な運動により太りすぎないことを心がけましょう※2。BMI:ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。(BMI = 体重kg ÷ (身長m)2)
痛みやしびれが強いときは無理に行わないようにしましょう
Schumann B, et al. Arthritis Res Ther 2010; 12(5): R193
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手術の種類によって入院期間は異なりますので、医師に相談することをおすすめします。比較的体に負担の少ない内視鏡を使用した手術であれば、入院期間は短くなります。また、椎間板内酵素注入療法という椎間板内に注射をする治療法もあり、日帰り入院や1~2日の入院で行うことができます。ただし、それぞれの手術や治療法には条件があり、患者さんによって選択できる治療法も異なります。症状がよくなることが重要で、治療法によっては良い治療成績が得られないこともありますので、主治医とよく相談することをおすすめします。詳細は治療方法のページをご覧ください。
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腰椎椎間板ヘルニアの切除後には再発することがあります。変性(傷んだ)椎間板が残るためと考えられています。手術を行った部位に再発が認められた割合は23.1%との報告がありますが、そのうち56%は症状がありませんでした1)。また、再手術が必要になった割合は術後1年で0.5~4.0%、術後2年で1.6~9.6%、術後5年で1.5~8.5%とされています2)。
Lebow RL, et al. Spine (Phila Pa 1976)2011; 36(25): 2147-2151
日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会編:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版. 南江堂, 2021
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症状のある腰椎椎間板ヘルニア患者さんの60%以上で、ヘルニアが体内に吸収されて小さくなることが認められています1)。また、吸収されるまでの期間は3カ月以内との報告もあります。
発症早期は最も痛みが強く、安静が重要です。特に1週間はヘルニア周りの炎症が続きます。発症後1ヵ月が経つと炎症は軽快します。Zhong M, et al. Pain Physician 2017; 20(1): E45-E52
腰痛や足の痛み、しびれなどの症状が気になる方
(ヘルニアを疑われている方)
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腰痛や、腰椎椎間板ヘルニアを専門的に診療するのは整形外科です。まずは、その腰痛の原因を調べることが重要です。腰椎椎間板ヘルニアの可能性もありますが、他の疾患または内臓の病気が原因であることも考えられます。なるべく早めに医療機関に相談するとよいでしょう。(腰椎椎間板ヘルニアに似た症状を示す代表的な疾患)
なお、整形外科の中でも脊椎を専門にされている医師もいますので専門医に相談することもおすすめです。下記から腰椎椎間板ヘルニアの専門的な相談ができる病院を探すことができます。(病院検索) -
腰の痛みにはさまざまな原因があるといわれています。腰椎由来のものが多く、たまに内臓由来や、心因性のものもあります。変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症といわれる病気では加齢による変性があり、治りにくいとされています。原因によって治療法は異なりますので、腰痛が主な症状の場合は整形外科を受診し、医師に相談してください。
なお、腰椎椎間板ヘルニアの場合には、保存療法、椎間板内酵素注入療法、手術療法があります。詳細は治療方法のページをご覧ください。
医学監修:せたがや岡田整形外科 院長
岡田 英次朗先生